2011年9月12日

Ruby instance_eval()の解説、Rails ActiveRecordとActiveSupportでの応用例

下記ソースコードに英語コメントで書いてますが、日本語で解釈してみます。

定義

まずinstance_evalはObjectのインスタンスメソッドです。なので全てのオブジェクトがこのinstance_evalを呼び出すことができます。instance_evalはブロックを受け取ります。

機能

サンプルコードではPersonというclassに@nameのインスタンス変数、credit_cardというプライベートメソッドを定義しました。

someoneはPersonのインスタンスで、someoneからinstance_evalをコールすると、そのブロック内ではselfがsomeoneとなり、@nameやcredit_cardにアクセスできます。

さらにinstance_evalの外で定義した変数outter_valにもアクセスできます。

Real-life example

さて、原理は分かったとして、実際はどのように使われているのか、Railsのソースコードでgrepしてこんなコードが見つかりました。

in ActiveRecord

まずマイグレーションでまあよく使うchange_columnメソッドのソースコードです。

definition[column_name]がinstance_evalを呼び出したのですが、definition[column_name]はActiveRecord::ConnectionAdapters::ColumnDefinitionクラスのオブジェクトで、ColumnDefinitionの実態はStructを継承し、カラムの名前、種類、limit、precision、デフォルト値などの情報が格納されているオブジェクトです。

definition[column_name].instance_evalを使うことで、そのオブジェクト(テーブルカラム)の種類、limit、default値とnull可否を変更することが分かりましたね。
optionsはinstance_evalブロックの外の変数ですが、普通にアクセスできます。

in ActiveSupport

上記ActiveRecordのコードが分かればここは分かりやすいと思います。
実際の意味はさておき、instance_evalを利用して@marshal_with_utc_coercionというインスタンス変数が定義されていれば、それを削除する使い方ですね。

まとめ

instance_evalを使ってオブジェクトの構造(インスタンス変数の値の変更、インスタンス変数の追加削除など)を実行時に変更するのが使い道、というのが個人的な感想です。

最後に注記:この記事はRails3.1.0のソースコードを使ってます。

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Qihuan Piao

朴 起煥

東京で働いている「外人歴」9年のソフトウェア「ライター」。いつの間にか納豆が食えるようになり、これで日本に慣れきったと思いきやまだまだ驚きが続いてる。読んだり書いたりするのが好きで、自身の経験や本から得た「何か」をここに書き出してる。最近古本屋にハマってる。

他にも英語中国語で書いてます、よろしければチェックしてみてください。