2019年5月12日 #dreams

自分が見た夢を人に伝えるのはとても難しい。

理屈が通用しない世界、順序が前後し、とりとめもなければオチもない。これをただありのままに話しても、聞き手にとってはなんにも面白くない。かといって、夢の世界観を借りて、少し話を盛ればそれなりの逸話になるかもしれないが、そのような修飾は、語り手としてはどうも腑に落ちない。夢に嘘を混ぜたら、それこそ真実とフィクションの挟間にある、どっちにも属しない話になってしまう。

それでも夢の中で経験したその生々しい感触を、誰でもいいからとにかく誰かに伝えたい場合がある。自分の身に実際にあってもおかしくなかった、そんな夢を。カーテンを開けて、日差しをどれだけ浴びても拭えきれないほどに、その感触はとても深いところまで染み込んでいる。簡単には片付けられず、どこまでも引きずってしまう。

ここからは僕がこの前に見た夢を感じ取ったままに語る。小説に出てくる夢のシーンは往々にして示唆に富む話だが、僕がこの現実世界で見た夢はそうではない。たぶん。だから読み手に何か有意義なことになるか、と聞かれると恐縮な気持ちになるが、どうしてもこの夢の情景をキャンパスに描きたい気分になった。そして絵心ないので、文字に引き換えている。

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