#cafe #diary #work

前回:(1)33歳からのカフェバイト

僕が働いているブックカフェは繁華街のとある商業施設の四階にある。名前の通り本屋とカフェが融合した空間で、未購入の本でもカフェでじっくり座って試し読みができる。店内にはWifiとコンセントが整備されていて、コワーキングスペースやミーティングの場所としても利用できる。クラフトビールやレモンサワーなどのアルコールメニューもあり、仕事帰りでサクッと飲むのもなかなか快適。

僕は元々は一人の客としてその空間に陶酔し、果敢に応募したわけです。そうやって今はブックカフェのスタッフとして働いている。エンジニアの時期と比べると、日常はガラリと変わった。

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#cafe #diary #work

「パクと申します。11時40分にKさんと面接の予定がありますが」

本屋のレジでそう伝えて、僕は担当者が来るのを待っていた。その1分足らずの間、僕は隣りの棚を意味もなく眺め、目のやり場に困っていた。喉は乾いていて、心臓のドキドキの鼓動が一段と大きくなっていた。いつぶりなんだろう、こんなに緊張したのは。生きている感触だ。

後にカフェ側の席に案内され、Kさんがやって来た。挨拶の後、こちらから履歴書を渡した。そこにはこの十年間、ソフトウェアエンジニアとして働いていた会社名が載っている。最後にこのような書類を準備したのは7年前だった。

それを手に取ったKさんは戸惑いの色を浮かべた。 「エンジニア…ですね。うちのブックカフェの仕事を応募するのは…エンジニアの仕事を希望ですか?」 「いいえ、カフェや本屋のスタッフとして働きたいです。アルバイトとして。」 そう答えて僕はカフェのカウンターを指差した。

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#book

屍人荘の殺人

何回も本屋で見かけ、一回読んでみたらドハマった。魔力があるように。

全体的に、とても「現代」の感じが漂う作品だと思う。時代背景も、スタイルも、キャラクターの言葉遣いも。今まで「本格ミステリ」って言ったらパソコンすら復旧していない、「過去」の設定のイメージが多く、小説自体の面白さに影響はないけど、「今」ではないのが多少は距離感を感じてしまう。本作がその「穴」をほどよく埋めてくれて、なおかつ新しい流行りの要素をモリモリ取り入れたのが、読者としてありがたい。

本の序文では受賞の言葉が載せられ、心に響く:「自分の想像で誰かを楽しませたい。その原点を忘れず、これからも邁進したいと思います。——今村昌弘」 そして、ミステリ固有の多数の登場人物を一瞬にして覚えやすくする巧技も、著者の親切心を感じられる。

これから読む方のために、ネタバレを避け、細かく語れないのがもどかしい。これだけはぜひ体感してほしい、というところをあげるとしたら…

  • 「ホームズ」と「ワトソン」を借りて語る友情。
  • 絵になるくらいの詩歌的アクションシーン。
  • 「ゾッとするほどに美しい」、「二度殺し」の正体。
  • 最後に問題提起した倫理観——人間の一番醜い部分を指差して、人でなしだ、許せないって非難することの妥当さ。そこから目を背けたい心。

「人は〇〇に対してそれぞれのエゴや心象を投影する」。その〇〇と対峙するとき、自分はどう映っているのだろうか、なんとなく、その妄想に耽る。

#cafe #trip

『ゆっくり、いそげ』の本を読んで、一度は行ってみようとずっと思っていた。一体どんなカフェなんだろう、本で書かれた思い入れが実践されている場所なんだろうか、と期待を込めて家から一時間以上かけて西国分寺を訪ねる。

西口から出てほんの少し歩くくらいのところにお店があった。案外近い。本の中での世界をこれから体験するんだから、その興奮を抑えきれずまずは入る前に外観の写真を一枚。一瞬にして東京の住民から観光客に変身。

クルミドコーヒー外観

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#book #reading

Photo by Jessica Ruscello on Unsplash

今日は本屋でゆっくりしながら二冊の本を買った。一冊は小説で、「犬。そこにいるのにいぬ」のダジャレがツボって、もう一冊は「記憶」をテーマにしたエッセイで面白かった。戻って本棚の一番上に置いといたら、「あー😩また積ん読が増えた」と内心で呟いた自分に気づいた。

元々読書は楽しい体験のはずなのに、この拭ききれない罪悪感はどこから生まれたのか?そしてふとこう思った。積ん読は「失敗した買い物、お金の無駄遣い」ではなく、「自分のための図書館を作っている」と、こうやってシナリオを書き換えればずいぶんと気が楽になった。我ながらなかなか良い思考転換だと思う。

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#book

色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年 (文春文庫)

もう昔の本だけど、少し前に読み終わってなかなか面白かった。

『騎士団殺し』を読んでおいたので、村上春樹の小説の「癖」は了承の上というか、心の準備が今回はできた、さすがに😓。ストーリーの伏線は回収されないし、セックスシーンの描写も相変わらずやたらと尺を取る…それらを置いといて、自分探し・自我補完の心の旅がありありと繊細に描写され、途中から一気に加速し、本に線を引く暇もなく読み終えた。個人的にかなり納得のいった物語である。

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#japanese #writing

久しぶりに実家に帰った。そのついでに昔の写真やノートを探してみた。掘れば掘るほど面白いものが出てきた。幼稚園の時に描いて絵とか、集めてた恐竜のプラモデルとか、それらを見ながら爆笑が止まらなかった。

その中で大学時代のノートがあった。おそらく日本語を勉強し始めた頃に書いた、あるいは書かされた簡単な作文だった。今読んでみると当然いろんな問題点が目立つーー文法の間違い、単語の不適切さ、小学生っぽい内容の薄さ、さらに字の汚さ…でもほんの少し自分ぽさもあった。「当時の自分という人間はそう書いたであろう」的な文章、本とか、生死と存在とか…

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